最初に確認する結論

一般課税で仕入税額控除を受ける場合

原則として、必要事項を満たす適格請求書等と帳簿を保存します。書類名が「領収書」「納品書」でも、必要事項がそろえば対象になり得ます。

免税事業者・簡易課税などの場合

仕入税額控除の計算で受取インボイスが不要となる場合があります。ただし、経費記録や電子取引データの保存は別の論点です。自社の課税方式を先に確認します。

このページは買手側の一般的な確認手順です。個別の控除可否、登録判断、申告方法は、税務署または税理士へ確認してください。

通販で購入する時の5ステップ

  1. 購入前: 販売元の名称と、領収書・請求書をどこから発行できるかを確認する。
  2. 購入後: 注文履歴から領収書・請求書をダウンロードし、カード明細だけで終わらせない。
  3. 内容確認: 下表の6項目がそろっているかを確認する。
  4. 番号確認: Tから始まる登録番号を国税庁の公表サイトで確認する。
  5. 保存: 書類PDF、注文内容、購入日、金額、保存先を台帳へ残す。

受け取った書類で見る6項目

確認項目見る場所・例初心者が迷いやすい点
発行者名と登録番号販売元の名称、T + 13桁の番号モール名ではなく、実際の販売元・書類発行者を確認します。
取引年月日注文日、発送日、利用日などどの日を取引日とするかは書類の表示を確認します。
取引内容商品名、役務の内容、数量軽減税率対象があれば、その旨の表示も確認します。
税率別の対価額と適用税率10%対象、8%対象の税抜または税込合計合計額だけでなく、税率ごとに区分されているかを見ます。
税率別の消費税額10%分、8%分の消費税額端数処理を自分でやり直さず、発行書類の記載を保存します。
買手の名称自社名、屋号、氏名適格簡易請求書では省略できる場合があります。

請求書、領収書、納品書などの名称ではなく、必要事項が記載されているかで確認します。複数の書類を組み合わせて要件を満たす場合もあります。

楽天・Amazon・Yahoo!などで迷いやすい点

販売元とモール運営者を分ける

同じモールでも販売元が異なります。注文履歴で「販売元」「出品者」「領収書・請求書の発行者」を確認し、書類の登録番号と一致するかを見ます。

カード明細は補助資料

カード明細には商品内容、税率別金額、登録番号などがそろわないため、通常はそれだけで適格請求書になりません。販売元の書類も保存します。

電子書類はデータのまま保存

注文メール、PDF領収書、ECサイトから取得した請求書を、真実性・可視性の要件と小規模事業者の緩和条件に沿って保存します。

電子保存の手順を見る →

返品・値引き後の書類も残す

返品、キャンセル、値引きで金額が変わった場合は、返還インボイスや訂正書類、返金記録を元の注文と一緒に保存します。

小規模事業者が知っておきたい少額特例

一定規模以下の事業者は、2023年10月1日から2029年9月30日までの間、税込1万円未満の課税仕入れについて、必要事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる特例があります。

対象事業者基準期間の課税売上高が1億円以下、または特定期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者。
金額判定1回の取引の税込価額が1万円未満かで判定します。商品1個ごとの金額ではありません。
必要な保存インボイスは不要でも、相手方、取引日、内容、税率ごとに区分した金額など、通常の必要事項を記載した帳簿が必要です。少額特例を使う旨の追記は不要です。
少額だから領収書を捨ててよい、という意味ではありません。経費の根拠や電子帳簿保存法への対応は別に確認し、実務上は受け取った書類も保存しておくと確認しやすくなります。

未登録の販売元から買った場合の経過措置

適格請求書発行事業者ではない販売元からの課税仕入れには、一定割合を控除できる経過措置があります。2026年10月以降は割合が段階的に変わるため、継続購入先は登録状況と購入時期を確認します。

取引期間控除できる割合の目安
2026年10月1日〜2028年9月30日仕入税額相当額の70%
2028年10月1日〜2030年9月30日仕入税額相当額の50%
2030年10月1日〜2031年9月30日仕入税額相当額の30%
2031年10月1日以降経過措置による控除なし

帳簿への記載が必要です。 通常の記載事項に加え、「70%控除対象」など、経過措置の適用を受ける課税仕入れである旨が分かるように記載します。少額特例は適用する旨の追記が不要ですが、この経過措置は扱いが異なります。

2026年10月以後に始まる課税期間には上限があります。 一のインボイス発行事業者以外の者からの課税仕入れの合計額(税込)が、その年または事業年度で1億円を超える場合、超えた部分には経過措置を適用できません。

適用には区分記載請求書等と必要事項を記載した帳簿の保存、課税方式、事業年度などの条件があります。実際の申告では国税庁の最新案内と税理士の確認を優先してください。

保存ルールを1つに決める

ファイル名の例: 2026-07-16_販売元_12,000円_T1234567890123.pdf

台帳には、購入日、販売元、商品名、税込金額、税率、登録番号、注文番号、書類保存先、返品・訂正の有無を残します。

  1. 月ごと、または会計年度ごとの保存フォルダを作る。
  2. 注文直後ではなく、領収書・請求書が発行可能になった時点でダウンロードする。
  3. 台帳の「領収書保存先」へファイル名または共有リンクを記録する。
  4. 月末に、購入履歴と保存済み書類の件数を照合する。

インボイス確認の次に処理すること

書類を保存した後は、購入目的、使用期間、取得価額、支払方法を確認し、経理処理と月次照合へつなげます。

よくある質問

クレジットカードの利用明細だけを保存すればよいですか?

原則として、カード会社の利用明細だけでは適格請求書の記載事項を満たしません。販売元が発行する領収書・請求書などを保存し、カード明細は支払確認の補助資料として残します。

領収書に自社名がなくてもインボイスになりますか?

小売業、飲食店業、タクシー業などが発行できる適格簡易請求書は、買手の名称を省略できます。書類名だけで判断せず、発行者名・登録番号・取引日・内容・税率別金額などの記載事項を確認します。

登録番号が見つからない場合はどうしますか?

番号の入力間違いと発行者名を確認し、国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトで再確認します。見つからない場合は販売元へ問い合わせ、一般課税で仕入税額控除を行う場合は経過措置を含む処理を税理士や税務署へ確認します。

自分も適格請求書発行事業者へ登録すべきですか?

売上先、現在の課税区分、消費税の申告負担により判断が変わります。登録すると課税事業者としての申告・納税が必要になる場合があるため、仕入書類の保存とは分けて税務署や税理士へ相談してください。

公式情報で最終確認する

制度情報の確認日: 2026年7月17日。法令・通達・国税庁案内の更新後は、最新情報を優先してください。

BACK OFFICEインボイスを発注・会計の流れにつなぐ領収書保存、発注履歴、最低在庫、会計入力を少人数で回す方法を確認します。

この記事を書いた人: イノベーションエッジ

大手企業で購買・調達に関わる管理職として勤務しながら、個人事業主として複数のWebメディアを運営。消耗品の仕入れ・経費処理・インボイス対応を、当事者として確認日付きで整理しています。

個別の税務判断は税理士・税務署にご確認ください。