最初に揃える目的を決める
ホテル・民泊の消耗品は、開業時に一度そろえて終わりではありません。来店数、メニュー数、清掃頻度に合わせて補充し続けるため、初回発注の時点で「何を何回分持つか」を決めておきます。
初回発注量の決め方
開業直後は大容量で固定せず、まず2週間分を使い切れる量で試します。最低在庫は「納期日数分 + 予備」で決め、欠品しやすいものだけ多めに持ちます。
初回発注量 = 1日あたり使用数 × 営業日数14日 × 予備係数1.2
例: 宿泊で歯ブラシセットを1日20本使うなら、20 × 14 × 1.2 = 約336本。販売単位に切り上げて発注し、実際の消費量を月末に見直します。
液体・粉体はmlやg、フィルターや機器部品は交換回数で計算します。単価が安くても、保管場所を圧迫する量や劣化しやすい商品は初回から大きく買いすぎない方が安全です。
開業・補充チェックリスト
業種を問わず最初に漏れやすい共通備品
業種別リストに入る前に、売上記録、衛生、安全、書類保存に関わる共通備品を確認します。カードを選ぶと、具体的な規格、選定基準、購入候補を確認できます。
会計・レジ
レシートロール、領収書用紙、釣銭、キャッシュトレー、決済端末まわり。
開業初日から売上と領収書の記録が止まらないようにします。
商品候補と選定基準を見る →衛生・安全
救急セット、消毒液、ペーパータオル、使い捨て手袋、消火器。
業種別備品とは別に、来客・作業・緊急時の基本を先に揃えます。
商品候補と選定基準を見る →事務・書類
コピー用紙、インク、ペン、ファイル、封筒、ラベル、保存箱。
領収書、契約書、見積書、補助金資料を後から探さないための土台です。
商品候補と選定基準を見る →清掃共通
ゴミ袋、クロス、中性洗剤、モップ、バケツ、除菌シート。
店舗・在宅を問わず、作業場所の維持に使う消耗品です。
商品候補と選定基準を見る →表示・案内
営業時間表示、価格表、決済ステッカー、注意表示、名札。
接客や受け渡しで毎回説明する内容を、見える場所に出します。
商品候補と選定基準を見る →収納・在庫
スチールラック、収納ケース、在庫ラベル、棚卸し用メモ。
最初から大きく揃えすぎず、使う量が見えてから固定します。
商品候補と選定基準を見る →発注前に確認する表
| 備品 | 選ぶ観点 | 現場運用 |
|---|---|---|
| トイレットペーパー | 現在のホルダーへ装着し、1室1泊の使用mと交換頻度を記録して巻長で比較します。 | 清掃カートの標準積載数と倉庫在庫を分け、交換本数を客室タイプ別に記録します。 |
| ボックスティッシュ | 既存ケースやティッシュボックスへ収まる寸法を確認し、1室1泊の使用組数で比較します。 | 設置場所ごとの交換日を清掃表に残し、箱つぶれを避けて保管します。 |
| 使い捨てスリッパ | 実際の床材で滑りを試し、標準客室と上位客室で品質帯を分けるか決めます。 | 客室タイプ別の標準数を清掃カートへ積み、使用済み品を回収します。 |
| 歯ブラシセット | 標準客室の品質帯を1種類に固定し、1室あたり設置数×実稼働室数で計算します。 | 客室タイプ別の標準設置数を清掃表へ記載します。 |
| カミソリ | 全室固定かフロント提供かを先に決め、実際の利用率で発注します。 | 歯ブラシと別品目で利用率を記録し、回収時は刃物として扱います。 |
| ヘアブラシ・コーム | 客層と利用率を1か月確認し、全室設置か希望者提供かを決めます。 | 歯ブラシと別に利用率を記録し、未使用品の水濡れを防ぎます。 |
| シャンプー | 稼働室数と清掃時間を比較し、小規模は個包装、定番運用はディスペンサーも候補にします。 | 継ぎ足し可否を製品・容器表示で確認し、補充日を記録します。 |
| ボディソープ | シャンプーと同数を買わず、1室使用量の実績から発注比率を決めます。 | 補充容器へ商品名と補充日を表示し、異なる製品を混ぜません。 |
| ベッドリネン | 自家洗濯は1室セット×3回転分、外注は回収・納品周期と欠損補償を含めて総額比較します。 | 客室タイプ別にセットを固定し、汚損・紛失を回収時に記録します。 |
| 客室タオル | バス・フェイスを別々に1日使用枚数×3日分で計算し、乾燥時間を試します。 | 客室用・清掃用を色分けし、汚損理由を回収時に記録します。 |
| 客室ゴミ袋 | 実際のごみ箱へ装着し、見た目・結びやすさ・破れを確認します。 | 客室用・共用部用を容量別に保管し、清掃カートへ標準数を積みます。 |
| 清掃クロス | 清掃場所ごとの色を固定し、1室に必要な枚数と回収方法を試します。 | 色分けルールを清掃カートへ掲示し、回収袋も分けます。 |
よくある失敗
- 単価だけで選び、サイズや素材が現場に合わず使い切れない。
- 補充担当を決めず、誰かが気づく運用になって欠品する。
- 未使用品と使用済み品の動線が交差し、清掃や片付けに時間がかかる。